前回の続きで、今回はODS OUTPUTの「PERSIST=RUN」というオプションを紹介します。
まずは以下の例をご覧ください。
データセット「SASHELP.CLASS」と「SASHELP.BMT」の定義情報をデータセットOUT1に出力しています。特に問題なく出力できています。
ods output Variables = out1;
proc datasets lib=sashelp; contents data=class; contents data=bmt; run; quit;
ods output close;
データセット OUT1 |
ここから本題。DATASETSプロシジャは対話型プロシジャです(対話型プロシジャについては以下参照)
https://sas-boubi.blogspot.com/2018/01/runquit.html
そして今度は、説明のため、以下の通りあえて対話型プロシジャを意識した書き方に変えて実行してみます。
😟失敗例
ods output Variables = out1;
proc datasets lib=sashelp;
/* RUNグループ1: データセットに出力される */ contents data=class; run;
/* RUNグループ2: データセットに出力されない */ contents data=bmt; run;
quit;
ods output close;
データセットOUT1 |
対話型プロシジャの結果のうち、最初のRUNグループの結果しかデータセットに出力されませんでした。
😄解決策1(グループ毎にODS OUTPUTを記述)
proc datasets lib=sashelp;
/* RUNグループ1 */ ods output Variables = out1; contents data=class; run;
/* RUNグループ2 */ ods output Variables = out2; contents data=bmt; run;
quit; ods output close;
データセットOUT1
データセットOUT2 |
上の例では「RUNグループ」毎にODS OUTPUTを記述して、「RUNグループ」毎にデータセットを出力しています。プロシジャの中にODS OUTPUTを記述しているので、ちょっと違和感を感じるかもしれませんが、ちゃんと動きます。
もうひとつ解決策。これが紹介したかったんですが「PERSIST=RUN」というオプション。
以下のように、対話型プロシジャ内で、出力オブジェクトの名前が一緒であれば(今回の場合は「Variables」)、結合してデータセットに出力することが出来ます。
😄解決策2(PERSIST=RUN)
ods output Variables(persist=run) = out1;
proc datasets lib=sashelp;
/* RUNグループ1 */ contents data=class; run;
/* RUNグループ2 */ contents data=bmt; run;
quit;
ods output close;
データセットOUT1 |
注意点:
ODS OUTPUT内に対話型プロシジャを複数書いても、出力できるのは最初のプロシジャのみ。
ちなみに、SQLプロシジャも対話型プロシジャですが「RUNグループ」ではなく、以下のように実行グループ(セミコロン「;」で終わる文)毎に実行されます。そこが違うだけでSQLプロシジャについても今回紹介した2つの解決策を適用できます。
ods output SQL_Results(persist=run) = out1;
proc sql;
/* 実行グループ1 */ select count(*) as c1 from sashelp.class;
/* 実行グループ2 */ select count(*) as c1 from sashelp.bmt;
quit;
ods output close;
データセットOUT1 |
PERSIST=オプションはSQLプロシジャと相性が良いので、今度その辺りも紹介したいと思います。
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