今回は重要かつ細かい動きの解説になるので、間違いなどがあればご指摘お願いします。
変数の宣言
DS2プロシジャで変数を扱うには、まず変数の宣言が必要です。
変数を宣言する構文。
dcl データ型 変数名 ; |
* 例 **********; proc ds2; data _DT1 (overwrite=yes); dcl char(10) VAR1; method run(); dcl char(10) VAR2; end; enddata; run; quit; |
上の例では、長さ10の文字変数VAR1とVAR2を作成しています。
また変数を宣言する場所によって、その変数の役割も異なってきます。
ローカル変数
メソッドの中で宣言した変数は、そのメソッド内でしか使用できないうえ、
一時変数的な意味合いとなり、自動的に削除されます。
以下の例を見てください。
data DT1; do i=1 to 3; output; end; run; proc ds2; data DT2 (overwrite=yes) ; method run(); dcl double A; set DT1; A + 1; put A; end; enddata; run; quit; ログ 1 1 1 |
オブザベーションを読み込む度に「A+1」でどんどん足し合わせていこうとしてますが、
出力結果のログを見ると、全然足されてません。
これは、ローカル変数Aが一時的な変数のため、前回処理時の値を保持していないからです。
よってRETAINやSUMステートメントの機能も無効になります。
出力データセットにも変数は残りません。
グローバル変数
メソッドの外で宣言した変数は、各メソッドから参照する事ができます。
(ローカル変数と違い、変数もちゃんと残ります)
ここで気をつける事あり。以下を見てください。
proc ds2; data DT1 (overwrite=yes) ; dcl double A; method init(); A=1; put 'INITメソッドからPUT ・・・' A; end; method run(); put 'RUNメソッドからPUT ・・・' A; end; method term(); put 'TERMメソッドからPUT ・・・' A; end; enddata; run; quit; ログ INITメソッドからPUT ・・・ 1 RUNメソッドからPUT ・・・ 1 TERMメソッドからPUT ・・・ . |
やってる事
① まずグローバル変数Aを作ります。
② INITメソッド内で変数Aに値「1」を入れます。
③ そして各メソッドからAの値をログに出力してます。
ログを見ると、TERMメソッドの結果だけ欠損値になってる!
これは最後に実行されるTERMメソッドが、
「処理を終了するから、グローバル変数達の値はリセットしておくね」、、となるからです。
(リセットされるグローバル変数は以下の場合を除く。)
- SAS側があらかじめ定義している_N_などの変数
- RETAINのような値を保持するようにしてる変数
- パッケージ変数
という事で、TERMメソッドには気を付けましょう!
。。。ちなみに、出力データセットには、RUNメソッド実行時の値が格納されます。
(TERMメソッド実行時の値を出力データセットに格納するなど、こちらで明示的に出力するタイミングを変えることも出来るっちゃ出来る)
同名のグローバル変数とローカル変数を作った場合
proc ds2; data _DT1 (overwrite=yes); dcl char(10) VAR1; method init(); dcl char(10) VAR1; VAR1 = 'aaa'; end; enddata; run; quit; |
この場合INITメソッド内に書かれた 「VAR1 = 'aaa';」 は、INITメソッド内で宣言されたローカル変数VAR1に対しての処理となります。
(出力データセットにはグローバル変数VAR1が出力されます)
DS2プロシジャ入門記事
1: 基本構文
2: 変数の宣言
0 件のコメント:
コメントを投稿