Windows環境での機能で、SAS/ACCESSのライセンスも必要ですが、LIBNAMEでEXCELを読み込めます。
えぐい落とし穴もあるので最後までご覧ください。
以下のEXCELファイルを読み込みたいとします。
C:\test.xlsx
データ部分のセル書式は「A列: 標準」「B列: 標準」「C列: 日付」「D列: 時刻」としています。
例
*** 正しく読み込めないので注意 ******; * libnameで、EXCELファイルを参照する ; libname TEST excel "C:\test.xlsx" header = yes dbmax_text = 8000 scan_timetype = yes mixed = yes ; * SET ; data OUT1; set TEST."Sheet1$"n; run; * EXCELファイルを解放 ; libname TEST clear; OUT1
黄色で示した部分は「aaa」という文字が読み込まれるはずだけど、欠損値になってしまう事に注目。 |
解説
libname TEST excel "C:\test.xlsx"
header = yes
dbmax_text = 8000 scan_timetype = yes mixed = yes ; |
LIBNAMEでEXCELファイルを参照出来るようにしています。
以下が構文(オプションは一部抜粋)
libname 参照名 excel "EXCELファイルのフルパス"
header = yes | no … 読み込み範囲の最初の行を変数名として読み込むか
dbmax_text = 数値 … 文字変数の最大LENGTHを指定
scan_timetype = yes | no … 項目のデータ型が時刻かどうかスキャンして取り込むか
mixed = yes | no … 1つの項目に数値と文字が混在してたら、文字変数として取り込むか
;
;
data OUT1;
set TEST."Sheet1$"n;
run;
|
EXCELの中身を、「参照名."EXCELシート名$"n」という感じで参照できます。
libname TEST clear;
|
最後にEXCELファイルを解放。
落とし穴(環境により動作は異なる)
実は、LIBNAME EXCELでの読み込みでは、EXCELのデータ部分の先頭8行だけを調べて、データ型などの属性が決定されているようです。
(レジストリの設定とか、環境によっては異なる可能性あり)
この「先頭8行ルール」により以下①~③の読み込み失敗例が考えられます。
① mixed=yesのオプションをつけると、数値と文字が混在してる項目を、文字変数にしてくれるのですが、、、
「先頭8行ルール」により、先頭8行に数値しかない場合、数値変数と判断されます。
そこで、もし9行目以降に文字があると、そこが取り込めず、欠損値になってしまいます。
黄色セルが、欠損値になってしまうやつ。
② 「先頭8行ルール」により、以下のように先頭8行が全て255バイト以内の文字で、9行目以降に256バイト以上の文字がある場合、256バイト以降の文字が切れたり、「?」とか変な文字になる。
そこで、もし9行目以降に文字があると、そこが取り込めず、欠損値になってしまいます。
黄色セルが、欠損値になってしまうやつ。
② 「先頭8行ルール」により、以下のように先頭8行が全て255バイト以内の文字で、9行目以降に256バイト以上の文字がある場合、256バイト以降の文字が切れたり、「?」とか変な文字になる。
黄色セルが、変になるやつ。
③ 「先頭8行ルール」により、以下のように先頭8行の書式が「標準」や「数値」で数値のみが入力されていると数値変数と判断されて、9行目以降に書式が「時刻」や「日付」で時刻(または日付)が入力されていると、9行目以降の当該データはEXCELのシリアル値で読み込まれてしまいます。
「10:20」の場合は「0.430555・・・」というシリアル値で読み込まれる。
ここまでが「先頭8行ルール」による落とし穴で、他にも以下のような落とし穴がある。
④ これもかなり特定の条件ですが、以下のように数値と256バイト以上の文字のみで構成されてるデータで、書式が「標準」や「数値」になってる場合、数値変数と判断されて、文字はすべて欠損値になってしまう。
黄色セルが、欠損値になってしまうやつ。
⑤ オプションの設定によって挙動が変わりますが、今回紹介したプログラムの設定のまま以下のEXCEL (データ部分の書式は「A列: 日付」「B列: 時刻」「C列: ユーザー定義[yyyy/m/d h:mm]」) を読み込むと、、
A | B | C |
---|---|---|
01JAN2012 | 12:28:00 | 01FEB2012 |
02JAN2012 | 13:00:00 | 02FEB2012 |
一応、以下の青文字で示した「SASDATEFMT=」というオプションに、対応させたいフォーマットを指定すると日時として読み込めるようです。
⑥ データステップ等でLIBNAME EXCELのファイルにアクセスする際、WHEREステートメントは使わない方が良さそう。
libname TEST excel "C:\test.xlsx" header = yes dbmax_text = 8000 scan_timetype = yes mixed = yes ; data OUT1; set TEST."Sheet1$"n (sasdatefmt=(C=datetime19.)); run; |
⑥ データステップ等でLIBNAME EXCELのファイルにアクセスする際、WHEREステートメントは使わない方が良さそう。
というのも、変数に欠損値があるとWHEREステートメントでうまくオブザベーションが抽出できない場合がありました。SAS社のリファレンスからはこの辺の説明が見つけられなかったので、環境によるものかも不明です。
data OUT1; set TEST."Sheet1$"n; where B^=1; /* ← NG */ run; |
以上、わたしが気づいた範囲のえぐい落とし穴でした。
一応自分なりに、こうするしかないかなぁー。。という方法はあるので、記事としてまとめられたら紹介したいと思います。
追記
いろいろ調べた結果、次回紹介予定の方法で正しく動く確証がもてなかったので、他にいい方法がないか、引き続き調査したいと思います。
この方法を使う際は、動作環境によってうまく動かないことがあったり、EXCELの仕様など不確定要素があったりなので、想定通りに読み込めているかを確認した方が良さそうです。
もし、次に紹介される方法とかぶっていたり、的を外していたら申し訳ないのですが
返信削除僕のlibname excel 文字切れに対する暫定処置としては
レジストリいじってしまう外法ですが
TypeGuessRowsのパラメータを8から0に変えて
http://support.sas.com/kb/46/472.html
libname ex "XX.xlsx" header=no TEXTSIZE=32767 scantext=no;
でTEXTSIZE=に想定最大lengthを入れて読み込む感じです。
他に方法があれば是非知りたいです!!
どうもです。
削除SAS社の頁に解決法載ってたんですね!ありがとうございます!!
この問題、ExcelデータをAccessにインポートする際も起こってた問題で、そこで見かけた解決法は、
①レジストリをいじる。
②先頭行に最大lengthの文字が入ったダミー行を挿入しておく。
の2つでした。
個人的に、OS環境が頻繁に変わったり、他社にプログラムを納品するような機会が多くあることから、なかなかレジストリをいじるという方法が使いづらいというのと、
環境が変わった時にレジストリをいじり忘れたらアウトっていうのもあるので、
②の方法を使うのがいいのかなぁと思っているところです。。
返信遅くなってすみません。
返信削除なるほど、ダミー行ですか!読み込むEXCELファイルに直接細工しておく感じですか?
ほんとEXCELの文字切れとか、型判定の問題はいい加減にしてほしいですよね。
EXCELファイルに細工しておくのを考えてましたが、
削除色んな要素が絡んでくるので、考えてたのがちゃんと動くか分からなかったので、別の方法がないか考えているところです。。
あと、色々調べた結果、レジストリをいじってもバグで文字切れするみたいな事が書いてあったので、注意が必要ですね。。
http://support.sas.com/kb/17/123.html
将来的には解決するのかもしれないけど、ほんとに何とかしてほしいです!!